ある労働教徒の告白・登録編

 金をば早や使い果てつ。嗜好品なき生活はいと静かにして、余暇の時間の緩やかさも徒なり。


 とゆー感じのパロディは、僕より上手なお友達がいるのでやりません。


 さて、ついにワタクシも額に汗して働く勤労青年へと変貌いたしました。

「もうあなたはさ、何で生活の糧を得ていても作家だよ。誰が何と言おうと。」

 こんな嬉しいことを言ってくれる友人がいると、節を曲げる屈辱、といったものは見当たらないのでありました。


 自慢のセーフティネットであるところの、実家を足場に生活基盤を再構築していこうと思います。


 それまでに、実家に帰りつくための交通費を除いて、あらゆる銀行口座を空っぽにしてしまったため、就職活動をしようにも手持ち資金がまったくない。クレジットカード払いにしてある通信だけはかろうじて生きているけれど、それも次回の引き落としまでの短い命。とにもかくにも、十月の頭までには銀行口座に一万円程度入れるべし。それから日々のビール、タバコ、コーヒー、ラーメンなどに費やすための小遣いは絶対必要。うっかり解脱するわけにもいかないしー。


 ひとまずタバコ代だけは母から借りて、いそいとバイト探しに勤しむことに。最初から就職のクチを探して初任給で一括返済、という方法も取れないわけではないけど、そうすると結構な額を借りなければいけなくなる。きっと焦りも生まれるだろう。結果、選考過程で感じるはずの様々な「雰囲気」の正体を見極めるための時間を省く。覚悟のあるなしだって、精神的には大きな要素だ。入ってしまってから泣きたくはない。同じ轍は踏まないぞ、っと。


 んで、手っ取り早く即金の仕事をして日銭を稼ぎつつ、就職活動などなどしよーじゃありませんか、とまあそんなところです。


 いくつかのお仕事サイトに登録してつらつらと眺めるに、「即日払い・前払いOK」の一文を発見してはエントリー。


 まずは「家電量販店での販売業務」。

 ↓

 面接

 ↓

 不合格


(時給の高さに惹かれて飛びついたのに選考に通らなかったため、これは間に入っている派遣会社が実際にはほとんどニーズのない案件を広告にしてヒトを集め、別案件に誘導するための「見せ案件」(不動産屋の「見せ物件」みたいなイメージ)なのではないかと疑う、という恐るべき責任回避思考に陥る。どんだけ自分が大事やねん。)


 次にトライしたのが、ウワサの「日雇い派遣」会社。

 登録説明会にスーツ着用で臨むと、凄まじい浮きっぷりを見せる。社員から登録、確認、現場、給与支払いのフローを説明されるが、先に配られた資料をただ読み上げるだけ。(ディスレクシア対策……の筈はないか。)面接は五分程度で、会場を後にしてすぐモバイルサイトから次の日の仕事を予約する(実はケータイでメール以外のWEB機能を使うのは初めて)。


 さあ久々の仕事だ!


 とボルテージを高めながらも、「あ、そういや日雇い派遣の是非について云々してる人けっこういるみたいだけど、自分自身が現場に行って働いてみて、実際の危険性だとかキツさ、日雇い派遣以外の仕事には就けそうもない人の割合、なんてことを客観的に分析する人ってあんまりいないんじゃないかな?」ということに思い当たる。


 とゆーことで、次回は現場で見聞きしたモノ・コトを詳細に書き出してみようと思います。


 レッツ・フィールドワーク!


(でも何しろ僕の文章なので、ほとんど客観性は期待できない。)