2009-01-01から1年間の記事一覧

とりあえず一声

レヴィナスの「自己犠牲」とキリーロフの「神人論」の関係性とか、賃貸生活で身に付いたり身に付けたりした生活の知恵とか、庄司薫についてとか、差異と交換についてとか、近況報告とか、国語教育についてとか、いろいろと書かれたがってウズウズしているも…

王子からの初更新

王子に引っ越して早九日。 まだそれしか経っていないのか、と思うほどに新しい部屋での生活に身体は馴染んでいる。 インターネットは日曜日に無事開通。 結果的に一週間ほどインターネットから離れていたことになる。 NBonlineのメールマガジンや、…

ケータイから報告

回線工事は無事完了したのですが、プロバイダからIDとパスワードを含む荷物が届かないため更新できません。悪しからず。 次回更新は日曜以降になりそうです。

王子への引越し前日

引越しが明日に迫っている。 大宮からのブログ更新もこれが最後である。 明日の八時半から引越し作業開始で、午前中には作業完了予定。 午後にNTTのひとが光ファイバー回線の接続工事を行うことになっているので、そこで無事接続されれば明日以降は王子か…

あーうー

あーあーあー、おほん。 マイクテストマイクテスト。 なんだかとってもよろしくない。 この状態はとにかくよろしくないぞ。 よろしくないっ! 目を覚ませっ! 寝ちゃダメだ! このままじゃ凍え死ぬぞっ!

内田樹/日本辺境論

読者の皆様に訊いてみたいことがある。 あなたは、自分自身によって意識の俎上に載せられることのなかった、この数日、数週、数ヶ月、数年間のおのれの振る舞いのほとんどを合理的に解説される、という驚異的な体験をしたことがあるだろうか。 私にはある。 …

無力な同伴者

ドストエフスキーで卒業論文を執筆することに決めたのは、ヘンリー・ミラーの『北回帰線』と村上春樹の短編集(たしか)の両方に、たまたま「ドストエフスキー」という名前を発見したのが理由だった。 「おお、このドストエフスキーというのは、なんだかすご…

げほごほげほごほぐほぇっ

風邪がぜんぜん治らない。 先週の月曜日の朝目覚めると喉が「こりゃいかん」という状態になっていた。 しかしそのご熱が出ることもとくに咳き込むこともなかったので、「わはははは、追っ払ってやったわい!」といい気になっていたのがまずかった。 妻の前で…

井筒俊彦先生にダメ出しを食らう

イスラームの神アッラーは、まず何よりも生ける神、生きた人格的神として自らを現わします。まさに「アブラハムの神、イサクの神、ヤコブの神」、人間がこれと我・汝の人格的関係に入りうる神でありまして、哲学者の神ではありません。古代インドの梵=ブラ…

コーエン兄弟/ノーカントリー

アントン・シガー(ハビエル・バルデム)は神ではない。 彼は有限性を逃れることのない物理的存在である。 食べなければならず、飲まなければならない。 彼の身体は人間の道具によって傷つき、人間の道具によって癒される。 彼は標的を探すために、自らの足で…

こぼれ話

昼間うんうん唸りながら『ノーカントリー』の評論を書いているときに、youtubeでショパンを流しておりました。 まずは静かに、この曲をお聴きください。 http://www.youtube.com/watch?v=d1_dPyBR_eY はい、お聴きになりましたか? で、あのー、ダイヤモンド…

みなさん、霊性になってください

今週は『困難な自由』週間です。 更新は(ほんとに)ありませんよ〜。 あ、それから継ぎ足し更新はやめます。 考えてみたら、スクロールの手間が申し訳ないもので。

他山の石

2009年10月15日の朝日新聞より。 フランスで高校生の出席率の低下が社会問題になり、クラス全体で掲げた改善目標を達成したら、最高で年間1万ユーロ(約130万円)の報奨金を支給する制度が導入された。政府は今月からパリ郊外の3校で実験的に実…

さらば週末

木曜の夜の仕事を終えてから妻のマンションへ。 途中にあるゲオで映画を一本借りる。 『プライドと偏見』が良作だったジョー・ライトの、『つぐない(Atonement)』。 着いたのが深夜だったので、その日は映画を観ずにお喋りばかりして寝る。 金曜は…

書き忘れていたこと

原爆について、もう一つ書かなければいけないことがあった。 終戦当時、原爆は各国の開発競争下にあった。 それはつまり、もしアメリカが一番乗りでなければ、どこか別の国が一番乗りしていたということだ。 そのどこか別の国は、きっとどこかの敵対国に原爆…

ミラン・クンデラ/小説の精神

(ミラン・クンデラ『小説の精神』法政大学出版 から抜粋) 「デカルトとともに考えるわれを一切のものの根拠とし、かくて宇宙にただひとり対決することは、ヘーゲルが英雄的と正しく判断した態度です。」(p7) 「人間は、善と悪とが明確に判別されうるよ…

うひゃあ

ここ一年半の文章の変遷でも眺めてみるか、とブログを読み直してみて驚いた。 初っ端の『パフューム』の映画評からして、致命的である。 「ここでの「愛」は、はっきりと「奪うこと」の代名詞である。」 だだだだ、代名詞じゃねーよっ! 暗喩か隠喩かメタフ…

「安全」の代償

衆議院選の開票速報特番を見ていると、「自民党有力議員、まさかの大量落選!」というテロップとともに与謝野馨、小池百合子といった現職や元の大臣までもが小選挙区で敗北する映像が次々と流れていた。 「有力」というくらいだから、結局は比例代表制で復活…

ここまでは、わかる

「労働者はみずからの生命を対象に注ぎこむ。しかし、対象に注ぎこまれた生命はもはや彼のものではなく、対象のものである。(・・・)労働者がみずからの生産物において外化するということは、彼の労働がひとつの対象に、ひとつの外的な現実存在になるというだけ…

河井酔茗/ゆずり葉

子供たちよ。 これはゆずり葉の木です。 このゆずり葉は 新しい葉が出来ると 入り代わって古い葉が落ちてしまうのです。こんなに厚い葉 こんなに大きい葉でも 新しい葉が出来ると無造作に落ちる 新しい葉にいのちをゆずって──子供たちよ お前たちは何をほし…

いつのまにか一年

気が付けば、塾講師のバイトを始めてから一年になる。 これなら時給が高いし、本を読む時間も文章を書く時間もたっぷり取れるなーと思って始めた仕事だけれど、なかなかうまくはいかない。 人生に締め切りがなければ、優先順位をつける必要なんてないんだけ…

政治への遅々とした歩み

人の精神の発達程度を検査するための一つの手法として、「誤信念課題」という心理学実験がある。 この実験によって調べることが可能なのは、「心の理論」と呼ばれる、「自分と他者の信念に違いがあることを理解する能力」の発現の有無である。 通常この能力…

政治がぜんぜんわからない

私は政治のことをまったくと言っていいほど知らない。 私がどのくらい政治音痴なのか、そして政治に参加してこなかったのかをご理解いただくためには、二つほど短いお話をすれば十分だと思う。 私は二十代の後半まで、朝日新聞が「左翼」的な新聞であること…

原罪モデルとスーパースター

人は誰もが「疚しさ」を抱えて生きている。 この疚しさは、どこかにルールやタブーがあり、それを破った自覚から生まれるものではない。 誰もがすること、生きていく上で必要なこと、そのようなことを、誰もがするようにしていても人はどこかに「疚しさ」を…

明日から合宿

夏期講習は無事前期を終了し、明日からは四泊五日の合宿となる。 実は前期から合宿までの間に五連休(!)があったのだけれど、まったく休みとも言えないような休みであった。 前期終了直後の一日を除いて、ひたすら合宿の準備をしていたのである。 塾講師と…

山本太郎/散歩の唄

あかりと 爆に 右の手と左の手に ぶらさがった子供たちが 上をむいて オトーチャマという 俺も上をむいて 誰かの名前を呼びたいが 誰もいない 俺の空はみごとにがらんどうで 鳥に化けた雲ばかりが 飛んでゆく すばらしいじゃないか このがらんどうのなかで …

喫茶店で本を読んでいると

七月三十日。 授業を終え、職場近くのドトールに入る。 アイスコーヒーを買って席に着き、さあ読むぞと『困難な自由』を鞄から取り出す。 女性性について語られているところを、頭からぷすぷすと煙を出しながら(口からはタバコの煙を吐き出しながら)読んで…

「はい、ごろーん。」

妻とは知り合ってから十年ほど経つ。 結婚するまでの長い期間には、それはもう色々なことがあった。 ほとんど喧嘩はしないのだが、それ以外の、ごく普通のカップルの間に起こるような大体の出来事はあったものと思っていただきたい。 なぜだか最近、そのうち…

本を読む日

言葉が出てこない。 「筆舌に尽くしがたい」という表現は、私にとって「敗北宣言」である。 だから、絶対に使うまいと心に決めていた。 だが、今回この本を語るにあたって、私はこれ以外の言葉を思いつかない。 『現代思想のパフォーマンス』。 内田先生は、…

よくもこれだけ悩めるものだ

「早期教育の必要性」と「自然過程のイデオロギーによる搾取」。 「正読」と「誤読」。 「学問」と「芸術」。 「コスモス」と「カオス」。 「時間給労働」と「オーバーアチーブメント」。 「明日死ぬかもしれない」と「明日も生きているだろう」。 「意味」…