他山の石

2009年10月15日の朝日新聞より。


 フランスで高校生の出席率の低下が社会問題になり、クラス全体で掲げた改善目標を達成したら、最高で年間1万ユーロ(約130万円)の報奨金を支給する制度が導入された。政府は今月からパリ郊外の3校で実験的に実施し、効果が確認できれば拡大する方針だが、野党・社会党や教員組合などは「教育の原則を逸脱する」と猛反対。与党・国民運動連合内からも慎重論が出ている。
 クラスごとに出席率や成績の改善目標を掲げ、達成具合に応じて年間2千〜1万ユーロが支給される。クラス旅行や車の運転免許取得の費用など使途はクラスで自由に決められる。
 報道によると欠席率は中学や高校で8%以上。特に職業高校では10%を超え、欠席者3割にも及ぶ学校もあるという。毎年10万人以上が正式に卒業できないまま高校を後にし、失業や若者の暴動など社会不安の背景になっているとの指摘もある。
 「みんなで約束を守ろうとする取り組みを支援するものだ」と政府の担当者は教育的意義を強調するが、教育への金銭的な刺激策の導入には抵抗感が強く、反対論は教師や父母団体にも広がっている。社会党からは「本来は教師に支払うべきではないか」との声も上がっている。与党有力者からは「親がまず責任を果たせ」との注文もついた。
 出席率向上をめざす独自の動きも。南部マルセイユの高校では25%もの欠席率に悩み、欠席率の低いクラスにプロサッカー試合のチケットを配る制度の導入を決めたという。


フランス人の中学高校生、ということは現在12〜18歳で、生年は91年〜97年。
その親が25歳〜35歳の間に出産したとすると、親たちの生年は56年〜72年で、彼らは学齢期の6〜15歳を1962年〜1987年に過ごしたことになり、その後も教育パラダイムの劇的な変化が起こったという話は聞いたことがないから……いえ、聞いたことがないだけならいいんですが。
本当に、新たな先端を切り開きたいなんて甘いことを言っている場合ではないのかもしれない。
やらないといけませんね。
研究も教育も。