おい、調子でも悪いのか?

 ずいぶん長いこと黙り込んでるじゃないか。


 書いても書いても書き足りないような、そんなテーマをいくつも抱えてるんだろう?どうして書かないんだ?


「わからない。」


 わからない、ってどういうことだよ。


「僕の知らないどこかで、争いが起こってるんだ。たぶん。」


 争い?争いが起こらない世界なんてどこにもないだろ?


「いや、そういう話じゃない。僕の中の話だよ。僕に届く言葉がたくさんあるんだ。でも、全部理解できるわけじゃない。いや、少なくとも僕は、まだ理解できてないところがあると思ってた。」


 だろうね。


「でももしかしたら、僕は理解してしまっているのかもしれない。理解する僕が、どこかに生まれてしまったのかもしれない。理解する僕と、理解しない僕が、争ってるような感じなんだよ。」


 ややこしい話だな。


「うん、ややこしいんだ。ややこしいから、争っていること自体から目を背けてしまいたくなる。」


 それをしたら……。


「そう、終わりだ。」


 じゃあ、やることは一つだな。


「そうだね。見つめ続けるだけだよ。」


 違うだろ。


「えっ?」


 お前、まだわからないふりを続けるつもりなのか?