極私的映画鑑賞

『エデンの東』を観た。

「トラスクさん
聞こえます？
キャルでなく私なら返事していただけます？
言うことはおわかりね
目は曇ってもお心は確かなはずよ
お分かりでもお顔に出せないのね
トラスクさん
なれなれしくお話してすみません
愛されないほどかなしいことはありません
私にも覚えがあります
愛されないと心がねじけます
キャルがそうだったのです
本心ではないにしても
彼に愛を与えず
彼に愛をお求めにならなかった
何も求めなかった
キャルはよそに行きます
行く前に
彼を許せとは申しません
彼への愛を見せてやって下さい
でないと彼は破滅です
彼の心の鎖を解かなければ
彼は一生罪人です
助けてあげて
彼を愛しています
彼を立ち直らせて下さい
どうかお願いします
彼に何かを求めてやれば
あなたの愛を悟ります
愛のしるしを
失礼だとお思いね
でも言わずにいられないのです｣

先生、と思った。