更新再開。谷崎からジッドへ。

唐突ですが、またネット上であれこれと書き散らすことにしました。
自分でも「どこまで続くんかなあ」と半信半疑ですが、ま、やってみようと思います。しばらーく前にも似たような決意をしてたりします……とほ。
まずはツイッターでの独り言からどうぞ。
とりあえず読む物が思いつかないときの暇つぶしくらいにはなると思います。


リハビリ替わりにしばらく独り言でも呟こうかな。あー、文学の話してないとストレス溜まるわー。

【読書メモ】昨晩谷崎の「細雪」読了。本箱に入ってた未読の本を何も考えずに手に取った、つもりだったんですけど、もしかしたらその前に読んでたジッドの反動が出たのかもしれません。いやもう、このジッドが苦痛で苦痛で……。


ストレスレベルとしては高校時代に読んだ「嵐ヶ丘」に並びました。

む、ツイッター三点リーダー表示が変更されておる。地べたに張り付かなくなったのか。無理して二点リーダー使う必要がなくなるのは歓迎。あれ全然印象違うんだよなあ。なんと言うか、通常の表示だと「余韻」とか「思考の継続」とか「言葉にできない思い」みたいなものをそこはかとなく

匂わせるのに対して、ツイッターの表示だと「小ささ」とか「尻切れとんぼ」みたいな印象があって妙にコミカルになっちゃう。だから使うのを避けてたんだけど。

と思ったら本家ツイッターでは元の表示のままでした。わたくしついっぷるから離れられそうもありません。

は、腹減ってきた。うー、昼飯食って食休みしてから続き書こ。完全独り言だと続きを書く読者がいなくて気楽でよろしい。じゃあ数時間後のオレ、よろしく。


「書く」じゃなくて「待つ」ですね。まあ見逃してやってください。

案外早く戻ってきました。そいじゃ思う存分たらたら書くかな〜。

堀口大學訳のジッド「一粒の麦もし死なずば」。これが本当にひどかった。読み終えてそれほど時間も経ってないんですけど、あまり内容も頭に残っていません。重要な作品として記憶に留めようとするよりも、悪影響を受けまいとして抵抗することのほうにリソースを投じていたようです

ジッドの文章は極めて分裂症的です。アフォリズムにはとうに慣れ、直接的な関連はなくとも畳み掛けるようにあるいは一枚一枚丁寧に薄絹を重ねるようにフレーズや場面を描く作品もずいぶん読んできたように思うのですが、「一粒の〜」に関しては常につきまとう

「いやだから、何で急にその話になんの?」という違和感を拭い去ることのできないまま作品は終わってしまいました。文学的効果を産まない単なるうわ言の羅列、というのが正直な感想です。

ノーベル賞を受賞したほどの人物の作品ですから、探求のきっかけになる要素には溢れています。読んでいて真っ先に思い浮かべたのはプルーストの「失われた時を求めて」でした。まったく同じモチーフも出てきます。自由連想の戯れと飛躍の果てに現れる夢、無意識、

そんなものを期待しながら前半の苦痛に耐え、期待を止めてからはわずかにでも肯定の契機は見当たらないものかと救いを求めるような気持ちで読み進めていましたが、結局見当たらないままに終わります。

うーん、書いてるこっちまで暗くなってきた。ここは昼寝で心機一転を図らねば。またしても続く。


文学とか小説の悪口書いてると元気なくなっちゃうんです。いちおー文学にあげちゃってるからね、自分の人生。いやいや、社会人としてはこう見えてしっかりやるんです。それが認められるときも認められないときもあるんだけど。

心機一転してもジッドへの不満は続きます。ジッドの文章って自慢といい子ぶりっ子だらけなんです。まずは正しいプロテスタントとしての自分をアピール、さりげなく自分の家の財産やら家系やら親戚やらを持ち出してそれも自慢の種にする、オスカー・ワイルドの下りなんてもー我慢ならんですよ。

自分だけが彼の本質を正しく理解してたんだ、ほらほらこんな証言だってあるんだ、オスカー・ワイルドみたいな大物だってオレには心を開いて他の誰にも見せない一面見せてくれたんだぜどーよオレってすごいだろ?と言ってますねえ、アンドレは。

アルジェリアチュニジア行の場面ではしっかり文学らしい退廃的な場面も出てきますけど、これもねえ……、まあボードレールやらランボーやらヴェルレーヌやらが散々暴れたフランス文学の荒野でかわいらしく真似事してみた、ってぐらいのもんですかねえ。

後はそうだなあ、なんかものすごく自分のファンやら取り巻きやらの狭いサークルに向けて書いてる感じがありましたね。どんな些細な事柄でもジッド様の人となりが分かるお言葉ならありがたく拝聴しちゃう類の人たち向け。でなきゃあそこまでだらだら自分のことばっかり書けないだろー。

ということで、あーいう風にはなりたくないなあ、と思った次第です。坂口安吾が「文学やってんだったらジッドの講演会ぐらい行けよ」的なことを書いてたのでもうちょっと面白いと思ったんだけどなあ。

うー、本の悪口書いてると生命力が涸れてくる……。本日はこのあたりでギブアップ。「細雪」までたどり着かず〜無念なり〜。


というところで初日は終了。